アルバーティスパイソン(白口錦蛇、学名:Leiopython albertisii)は、ニューギニア島に固有の有毒ではない大型のニシキヘビであり、その名の通り独特の白い口を有しています。
このヘビの名前は、イタリアの探検家、ルイジ・ダルベルト(Luigi d’Albertis)さんにちなんで名付けられました。彼がこのヘビを発見したことで、アルバーティスパイソンとして知られるようになりました。
概要
- 学名: Leiopython albertisii
- 英名: White-lipped Python, D’Albert’s Python
- 和名: 白口錦蛇(シロクチニシキヘビ)
- 分類: 爬虫綱 > 有鱗目 > ニシキヘビ科 > シロクチニシキヘビ属
- 生息地:パプアニューギニア、インドネシアの熱帯雨林
- 体長:約2メートルから3メートル
- 体の色:黒っぽい体で、光の加減によって青や紫に光ることがあります。とても美しいです!
- 寿命:飼育環境によって異なりますが、平均で20〜25年ほどです。
販売価格の平均相場:7万円〜
特徴
- 体形とサイズ:
- 中型のニシキヘビで、成体の体長は1.5メートルから2.1メートル程度。
- 一部の個体は2.7メートルに達することもあります。
- 外観:
- 頭部と体の光沢のある黒色または暗褐色の鱗が特徴。
- 口元は白色で、「白口」と呼ばれる所以。
- 若干虹色の光沢が見られる個体もあり、美しい外見が魅力です。
- 分布:
- パプアニューギニアとインドネシアのニューギニア島に主に分布。
- 生息環境:
- 熱帯雨林や湿潤な森林地帯を好みます。
- 地上性で、しばしば水辺近くで見られることが多いです。
生態
- 食性:
- 行動:
- 夜行性で、主に夜間に活動します。
- 体を巻いて休むことが多く、木の枝や岩場に隠れることがあります。
- 繁殖:
- 卵生で、一度に10~15個の卵を産むことがあります。
- 孵化した後、幼体はすぐに独立して生活します。
飼育環境
アルバーティスパイソンは、美しい外見と魅力的な生態からペットとしても人気がありますが、自然界では湿度の高いジャングルに住んでいます。そのため、飼育する場合には以下のポイントが大切です。
ケージ
- サイズ:
- 素材:
- ガラス、プラスチック、木製など、掃除しやすく耐久性のある素材が適しています。
- ケージにはしっかりとした蓋が必要です。アルバーティスパイソンは脱走の名人です。
- レイアウト:
- 隠れ家:ケージ内に複数の隠れ家(シェルター)を設置し、ストレスを軽減します。洞窟風のオブジェや木の皮、人工植物などが良いです。
- 登れる場所:木の枝や岩など、登れる構造物を配置します。自然の生活環境を再現するために必要です。
温度と湿度
- 温度:
- 湿度:
- 60~80%の湿度を維持します。
- 定期的にケージ内を霧吹きし、湿度を保ちます。
- 水皿を大きめのものにして、蒸発による湿度保持も行います。
照明
- 日光サイクル:
- 12時間の光と12時間の暗さを提供することで、自然の昼夜サイクルを再現します。
- 必要に応じて、UVBライトを使用しますが、必須ではありません。
- バスキングランプ:
床材
- 種類:
- ココナッツファイバー、スフィンゴスモス、樹皮チップなどが適しています。
- 床材は湿らせることで適切な湿度を維持します。
- 掃除:
- 定期的に床材を交換し、清潔を保ちます。
食事
このヘビは主に小さな哺乳類(ねずみなど)や鳥を食べます。獲物を見つけると、素早く巻き付いて締め付け、動けなくしてから食べます。噛んで毒を注ぐわけではなく、締め付けて獲物を捕まえるので「ボアコンストリクター」というタイプのヘビと似ています。
- 餌:
- 給餌頻度:
- 幼体:週に1~2回
- 成体:2~3週間に1回
水分
- 水皿:
- 新鮮な水を常に提供し、清潔な水皿を用意します。
- 水皿はヘビが完全に浸かることができるサイズのものが望ましいです。
健康管理
- 定期検診:
- 定期的に獣医による健康チェックを受けます。
- 寄生虫や病気の兆候がないか確認します。
- 皮膚と脱皮のチェック:
- 皮膚の状態や脱皮の状況を定期的に確認します。
- 脱皮が不完全な場合は湿度を見直し、適切な環境を提供します。
注意点
- 取り扱い
- ストレスを避けるために、あまり頻繁に触らないようにします。
- 咬傷のリスクを避けるために、落ち着いた状態で取り扱います。
- 健康管理
- 定期的に健康チェックを行い、寄生虫や病気の兆候がないか確認します。
- 皮膚の状態や脱皮の状況をチェックします。
- その他
- 比較的温和な性質で、飼育下での繁殖も可能なためペットとしても人気
- 保全状況:IUCNレッドリストでは、現在のところ「軽度懸念」(LC)に分類されている。
まとめ
アルバーティスパイソン(白口錦蛇、Leiopython albertisii)は、その美しい外見と魅力的な生態からペットとして人気があります。人気のあるペットではありますが、野生での生態についてはまだ十分に解明されていない部分もあるヘビです。
大きくなるため飼うには広いスペースと適切な環境が必要です。また、ヘビは脱皮(だっぴ)といって、古い皮を脱ぎ捨てることがあります。飼っている場合はその脱皮がスムーズに行えるよう、湿度を保つことが大切です。


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