グリーンイグアナ(Iguana iguana)は、主に中南米の熱帯地域に生息する大型の樹上性トカゲです。特徴として、体長は尾まで含めると1.5メートル以上になることがあり、時には2メートルを超える個体もいます。体色は一般的に緑色ですが、地域や個体によってはさまざまな色の変化が見られます。
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【特徴と生態】
- 外見: 成体のオスは、特に大きな喉の垂れ下がった皮膚(デュラップ)や、体側の大きな鱗のトゲ(ニシキボシ)があります。尾には鋭い鱗があり、防御に使用されることもあります。
- 生息地: 森林、特に川や湖の近くの木の上で見られることが多いです。木の上で生活することで、捕食者から身を守ると同時に、簡単に日光浴を行うことができます。
- 行動: 主に昼行性で、日中は日光浴や食事を行います。食事は主に植物(果物、葉、花)を食べる草食性ですが、稀に昆虫なども食べることがあります。
- 繁殖: 繁殖期にはオスは非常に攻撃的になることがあります。メスは一度に20-70個の卵を産むことができます。卵は埋められ、約3か月後に孵化します。
【ペットとしての飼育】
グリーンイグアナはペットとして人気がありますが、大型に成長し特別な環境が必要であるため、飼育は容易ではありません。適切な温度、湿度、日光(UVB光)を提供することが不可欠です。健康を維持するためにはバランスの取れた食事や十分な運動スペースも必要です。
飼育環境
テラリウム(飼育ケージ)
- サイズ
- イグアナは成長すると全長が1.5メートル以上になることがあります。そのため、十分なスペースを提供することが重要です。
- 最低基準として、飼育ケージは長さ180cm、幅90cm、高さ180cmが推奨されます。
- 素材など
- ガラス製やメッシュ製のどちらのテラリウムも使用できますが、通気性を考慮して適切な選択をしましょう。
温度管理
- 温度勾配
- 飼育環境内には温度勾配が必要です。バスキングスポット(温かい場所)は約32-35℃に保ち、冷たい場所は約24-27℃に設定します。
- 夜間の温度
- 夜間の最低温度は約20-24℃に保つよう注意します。
照明
- UVBライト
- UVBライトはカルシウムの吸収を助けるため、必須です。照明器具はUVBの波長(290-320nm)が提供されるものを選び、1日12-14時間ライトを点灯します。
- 日光の模倣
- 自然光を模倣したライトも使用すると良いでしょう。ただし、直射日光が当たる場所で飼育する場合は、ガラス越しではなく直接日光を受けるようにします。
飲水と湿度
- 水
- 新鮮な水を常に提供します。水入れは定期的に掃除し、清潔に保ちます。
- 湿度
- 室内の湿度は50-70%を目指します。これには定期的な霧吹きや、湿度を保つための加湿器の使用も効果的です。
栄養
- 食事
- イグアナは主に菜食性です。様々な新鮮な野菜(葉物野菜、カボチャ、ズッキーニなど)や果物を提供します。
- カルシウムとビタミンD3のサプリメントを適宜与えることも推奨されます。
環境エンリッチメント
- 登る場所や隠れ場所など、自然界の環境に近いレイアウトを工夫します。木の枝や岩などを設置し、活動的に過ごせるようにします。
グリーンイグアナをペットとして迎える場合、その寿命は15-20年にも及ぶため、長期的な飼育を覚悟する必要があります。また、飼育環境が適切でないと健康問題が発生することがあるため、専門知識と責任を持って飼育することが求められます。
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