イグアナの育て方🦎草食・肉食別にご紹介

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イグアナは主に草食動物であり、その食生活は植物ベースが基本となります。ただし、一部の種類や状況では動物性たんぱく質も摂取することがあります。草食と肉食の両方のイグアナが好む食べ物を紹介し、飼育の際の注意点についても解説します。

イグアナって賢いの?ペットにできるの?

イグアナの知能に関しては、イヌやネコほど高くはないと考えられています。しかし、爬虫類の中では比較的知能が高いと言われています。 犬や猫は、長い年月をかけて人間と暮らしてきた歴史があり、その過程で 社会性、学習能力、問題解決能力 が大きく発達してきました。彼らは人間とのコミュニケーションを理解し、複雑な命令に従ったり、感情を読み取ったりすることができます。 一方、イグアナは爬虫類であり、犬や猫とは大きく異なる脳の構造をしています。彼らは 本能と学習 に基づいて行動し、複雑な問題解決や高度なコミュニケーションは苦手です。 ただし、イグアナも 限られた範囲では学習が可能 です。 例えば、イグアナの知能を示す特徴として以下のようなものがあります。
  1. 飼い主を認識し、慣れることができる
  2. 簡単なトレーニングが可能(例:手に乗る、名前を覚える)
  3. 学習能力がある(例:エサの場所を覚える)
つまり、イグアナは犬や猫ほど賢くはありませんが、彼らなりの知性と学習能力を持っていると言えるでしょう。

イグアナの寿命と性格について

イグアナ、特にペットとして人気のあるグリーンイグアナについて、寿命と性格を詳しく解説します。

寿命

  • 野生環境下では約10年〜15年と言われています。
  • 飼育下では適切な環境とケアがあれば、15年〜20年、長い場合は20年以上生きる個体もいます。
野生下では、捕食者、病気、環境ストレスなどの要因により寿命が短くなる傾向があります。一方、飼育下ではこれらの脅威が少なく、栄養価の高い食事や定期的な健康チェックを受けられるため、より長生きする可能性があります。

性格

イグアナは個体によって性格は大きく異なり、一般的には以下の様な傾向が見られます。
  • 基本的には穏やかで臆病な性格
    • 大きな音や急な動きを嫌います。
    • 慣れない環境ではストレスを感じやすく、警戒心が強いためケージ内から出てこなくなることもあります。
  • 飼い主には懐くことがある
    • 根気強く接することで、飼い主を認識し、触られることに慣れる個体もいます。
    • 特定の人にはよく懐き、頭や顎の下を撫でられるのを好むこともあります。
  • 縄張り意識が強い
    • 特にオスは縄張り意識が強く、他のイグアナに対して攻撃的になることがあります。
    • 多頭飼いは推奨されず、単独飼育が基本となります。
  • 知性があり、学習能力も高い
    • 環境や飼い主の行動パターンを学習し、適応することができます。
    • トイレの場所を覚えたり、名前を呼ばれて反応する個体もいます。
  • 飼育環境が悪いと怒りっぽくなる傾向や攻撃的になることもあり注意が必要
  • 雄の方が雌より攻撃的になりやすい
  • 個体差が大きく、早期の慣れ親しみが重要

イグアナとの生活で注意すべきこと

  • 飼育には、適切な環境とケアが不可欠です。
    • 大きなケージ、温度・湿度管理、紫外線ランプの設置、栄養バランスの取れた食事などが必要です。
    • 飼育前に、必要な知識をしっかりと身につけましょう。
  • 幼体の頃は特に注意が必要です。
    • 幼体のうちは環境の変化に弱く、体調を崩しやすい傾向があります。
    • 飼育環境を整え、注意深く観察することが大切です。
  • 成長に伴い、性格や行動が変わることがあります。
    • 大人になるにつれて縄張り意識が強くなったり、攻撃的になることがあります。
    • 普段から注意深く観察し、変化に気付けるようにしておきましょう。

イグアナが喜ぶ食事:草食メインで栄養満点メニュー!

イグアナは、成長段階や種類によって食性が変化します。

草食性のイグアナ

☘️ 草食中心の食生活
iguana eating a piece of lettuce

iguana eating a piece of lettuce

    • アダルト(成体)
      • 野生ではほぼ完全な草食で、植物の葉、花、果実などを食べています。
      • 飼育下では、下記のような野菜をバランスよく与えましょう。
        • 必須:小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、ターサイ、桑の葉
        • 新鮮な野菜(レタス、トマト、キュウリ、ピーマンなど)
        • フルーツ(りんご、バナナ、パイナップル、ブルーベリーなど)
          ブルーベリー大好き!

          ブルーベリー大好き!

          もちろんお野菜も!

          もちろんお野菜も!

        • 一部の花(ハイビスカス、バラなど)
        • イグアナフード(果物ジュースでふやかして与えます)
      • ポイント:
        • 毎日同じ野菜ではなく、数種類をローテーションして与える。
        • 葉物野菜は細かく刻まずに、大きくちぎって与えることで、咀嚼を促し、消化を助ける。
        • 果物は糖分が多いため、少量を週に1~2回程度に抑える。
        • キャベツ、ホウレンソウ、レタスなどの野菜は、栄養価が低いため、控えめに与える。 ※特に、ほうれん草はカルシウム吸収を阻害する可能性があります。
  • ベビー(幼体)
    • アダルトに比べて、成長に必要なタンパク質を多く必要とするため、昆虫なども食べる場合があります。
    • 基本的にはアダルトと同じ野菜を中心とした食事を与えますが、下記のようなものを少量与えてもよいでしょう。
      • イグアナフード(果物ジュースでふやかして与えます)
      • 昆虫コオロギミルワーム(栄養価の高いものを選んでください)※肉食はあくまでも補助的なもので主食ではありません。
      • その他:豆腐、ゆで卵(白身のみ)
🥩 肉食は避けて!
  • イグアナは草食動物なので、肉やドッグフード・キャットフードなどは消化できないとされていますが、海外ではハンバーグやキャットフードを食べる子もいます。
  • これらのものを与え続けると、健康を害する可能性がありますのでご注意ください。

肉食性(雑食性)のイグアナ

肉食性の種類は少なく、大半のイグアナは完全な草食性です。しかし、一部の若い個体や特定の種類では、昆虫を食べることがあります。 食べ物
  1. 昆虫:
  2. 小型無脊椎動物:
    • カタツムリ
    • 小型のワーム

⚠️ 飼育の際の注意点

    • カルシウムとリンのバランス
      • イグアナはカルシウムとリンのバランスが崩れやすい動物です。
      • カルシウム不足はクル病などの原因となるため、野菜を与える際にカルシウムパウダーをふりかけて補給しましょう。
      • リンの過剰摂取もカルシウムの吸収を阻害するため、リン含有量の多い小松菜などは与えすぎに注意が必要です。
    • 水は毎日新鮮なものを
      • 水は毎日交換し、常に清潔な状態を保ちましょう。
      • 水入れは、イグアナが体を浸すことができる程度の大きめのものを用意すると、湿度管理にも役立ちます。
    • 日光浴
      • UVBライト: 骨の健康(カルシウム)を維持するために必要。12時間の明るさと12時間の暗さを提供し、定期的にUVBライト(電球)を交換する(約6ヶ月毎)。 下の写真のライトはUVA・UVB共に供給してくれます。熱源にもなるので一石三鳥!
        2灯式のUVBライトが便利です!

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        バスキング中のイグアナさん

        バスキング中のイグアナさん

DTZY 双頭爬虫類ライト 紫外線ライト 亀 両生類用ライト バスキングライト 50W*2保温電球 タイマー機能 明るさ調節可能 360度回転可能 亀日光浴ライト 日本語説明書付き(タイマー3時間-6時間-12時間黒 )
  • 適切な温度と湿度管理
    • イグアナは変温動物なので、適切な温度と湿度管理が重要です。
    • ケージ内には、バスキングスポットとクールスポットを設け、イグアナが自分で体温調節できるようにしてあげましょう。
    • 湿度が低すぎると脱皮不全を起こす可能性があります。こまめな霧吹きや加湿器を使用して、湿度を60%前後に保つようにしましょう。
  • 定期的な健康チェック
    • イグアナは体調不良(病気)を隠すことが多いため、定期的に健康チェックを行いましょう。
    • 食欲不振、下痢、嘔吐、元気がないなどの症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。
  • ストレス管理
    • 飼育環境を落ち着かせ、ストレスを与えないようにする。
    • 飼育者との信頼関係を築くために、ゆっくりとした動きで取り扱う。

サルモネラ菌について

イグアナに限らず爬虫類は高確率でこの菌を保有しています。サルモネラ菌の保菌者である可能性があり、サルモネラ菌は人間にサルモネラ症を引き起こす可能性があります。サルモネラ症は、下痢、腹痛、発熱、嘔吐などの症状を引き起こす可能性のある食中毒の一種です。イグアナは、糞便、唾液、皮膚など、体のさまざまな部分からサルモネラ菌を排出する可能性があります。したがって、イグアナを扱う場合はサルモネラ症の予防策を講じることが重要です。 サルモネラ症を予防するには、次のことをお勧めします。
  • イグアナを触った後は必ず手を石鹸と流水で丁寧に洗う
  • イグアナの糞や体液に直接触れないよう注意する
  • イグアナの飼育環境を清潔に保ち、定期的に消毒する
  • イグアナの食餌や水を衛生的に管理する
  • イグアナにキスをしたり、抱きしめたり、口に近づけたりしないでください。
  • イグアナにサルモネラ症の症状が見られる場合は、獣医師に相談してください。
サルモネラ症の症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。サルモネラ症は通常、抗生物質で治療できます。

💖愛情と適切な環境で、イグアナとの暮らしを楽しもう!

個体による違いも大きいため、飼い主との関係を築く上での努力や環境設定によって、ある程度の賢さや応答を引き出すことは可能です。 イグアナは飼育が難しいイメージを持たれがちですが、正しい知識を持って接すればとても魅力的なペットになります。 環境に慣れたり人間に対して一定の反応を示したりすることはできるので、愛情を込めてお世話をしてイグアナとの楽しい毎日を過ごしてくださいね!
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